最近ではリフォームの需要も高まっており、マンションリフォームを検討する人も多くなっています。そこで、大事になってくるのが、リフォーム費用の相場を把握することです。
リフォーム費用は、リフォームの内容や地域によって大きく異なります。リフォームの規模や仕上がりの品質に応じて、費用は数十万円から数百万円にまで及ぶことがあります。特にフル改装ともなると、全面的な改修が必要なため、費用は高額になりがちです。ここでは、マンションリフォームにかかる相場や、フル改装時のポイント、注意点を解説し、費用を抑えるためのコツやおすすめのプランについても触れていきます。リフォームを考えている方にとって、最適な予算を立てるための参考となる情報を提供します。
1.マンション内装リフォームの費用相場を知り賢く検討する秘訣【総論】
マンション内装リフォームの費用相場は、リフォームの内容や範囲、使用する素材によって大きく異なります。そこでリフォーム実現までの賢い優先順位をつけていきましょう。
まずは、リフォームしたい箇所をリストアップし、優先順位をつけましょう。そこで予算の上限をある程度決め、その予算に合わせて、本当に必要なリフォーム箇所を絞り込むことが大切です。
そして、インターネットや書籍で情報収集を行い、おおまかな費用相場を把握しましょう。
また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。見積もり内容だけでなく、業者の実績や評判も確認することが重要です。
マンションの内装リフォームは、高額な買い物ですから、予算の範囲内で理想のリフォーム計画を立てることで、満足のいくリフォームを実現させましょう。
1-1. リフォーム内容を把握!全体予算と各工事費用の目安を徹底解説【必見】
2025年のデータによると、フルリフォームの費用は約900万円以上が相場となっており、部分的なリフォームは10万円から数百万円まで幅があります。
部分的なリフォームのおおよその相場としては、下記のようになっています。
キッチン: 70万円~250万円
浴室: 30万円~200万円
トイレ: 10万円~100万円
壁紙クロスの貼り換え: 6畳(約10㎡):約15000~50000円程度
(素材の種類で資材費や施工費も違います)
フローリング貼り換え: 6畳(約10㎡):50000円〜200000円程度
(素材の種類で資材費や施工費も違います)
具体的にどのようなリフォームをしたいのか、場所や内容、規模などを具体的に計画することで、予算を立てやすくなります。
1-2. キッチン・バスなど水まわりの交換相場と工事のポイントを紹介【事例付き】
キッチンやバスなどの水回りの交換は、設備の劣化やライフスタイルの変化に合わせて行われます。キッチン交換の相場は約50万~200万円、バス交換は約60万~150万円程度です。
工事のポイントとしては、マンションの場合、水圧が低いことがあるため、事前に水道工事の必要性を確認しましょう。
また、古い配管は交換が必要な場合もあり、見積もり時に配管工事が含まれるか確認しておきましょう。
事例1:システムキッチンの交換
内容:古いキッチンをシステムキッチンに交換、収納や使い勝手を改善。
費用:約70万~120万円
特徴:システムキッチンにより収納スペースが増え、調理動線もスムーズに。最新の調理器具や食器洗い機の追加も可能。
事例2:キッチンの一部改装(カウンターと収納の改善)
内容:キッチンのカウンターを交換し、収納を増設。
費用:約30万~60万円
特徴:全体的なリフォームではなく、一部のみの改装でコストを抑えることができます。カウンターの高さや形状を見直すことで作業効率が向上。
事例3:ユニットバスの交換
内容:古いバスを新しいユニットバスに交換、保温性や掃除のしやすさを改善。
費用:約60万~120万円
特徴:シンプルな交換で、保温効果の高い断熱材や掃除がしやすい素材を使用したユニットバスに変更。新しいデザインで快適な入浴が可能。
事例4:バスルームの一部改装(壁・床の交換)
内容:バスルームのタイルを取り替え、床の素材を変更してデザイン性を向上。
費用:約30万~50万円
特徴:一部改装でコストを抑えつつ、見た目と機能性が改善される。タイルの交換により、掃除がしやすく、清潔感がアップ。
これらの事例でわかるように、リフォームの内容や規模によって費用が大きく変動します。
1-3 壁紙とフローリング選び!デザイン別の費用と仕上がり事例を解説
壁紙では、シンプルなビニールクロスは手頃な価格で1㎡あたり900〜1,500円。高級なデザインクロスや和風壁紙は1㎡あたり1,500〜4,000円程度。シンプルな白系や木目調の壁紙は、明るく清潔感のある仕上がりに。アート柄や和風を選ぶと、個性的で温かみのある空間になります。
また、フローリングは、合板タイプが4,500〜8,000円/㎡で、無垢材は8,000〜15,000円/㎡。木目調やシンプルなフローリングはどんな部屋にも馴染み、ナチュラルで落ち着いた印象に。無垢材は高級感があり、温もりや重厚感を感じさせます。デザインを選ぶ際は、部屋の雰囲気や用途を考慮して素材を決めましょう。
2. マンション管理規約と構造を確認!リフォーム可能範囲を間違えないために
マンションリフォームを行う際、まず確認すべきは「マンション管理規約」と「構造」です。管理規約には、専有部分と共用部分の明確な定義があり、リフォーム可能な範囲が規定されています。専有部分は、部屋内部や内装の変更が可能ですが、共用部分(外壁や配管など)は自由に改装できません。また、建物の構造によっては、間取り変更が制限されることもあります。リフォーム計画を立てる前に、必ず管理規約を確認し、管理組合に相談しましょう。
2-1. 戸建てと違う?マンション特有の管理義務や騒音対策を要チェック
マンションのリフォームには、戸建てリフォームとは異なる点がいくつかあり、マンション特有の管理義務や騒音対策が存在します。
1. 管理義務と規約の確認
マンションには、各住戸が従うべき管理規約が定められています。これにより、共用部分や専有部分のリフォームには制限があることが多いです。例えば、壁や床の構造を変更する場合、他の住民に影響を与えかねないため、管理組合に申請し承認を得る必要があります。また、特に防音性や水道・配管の配置に関して、規約で詳細な取り決めがある場合があります。リフォーム前に必ず規約を確認し、管理組合に相談しておくことが大切です。
2. 騒音対策
マンションのような集合住宅では、音が他の住民に伝わりやすいため、騒音対策が必須となります。壁や床を取り壊す、または新たに設備を取り付ける際には、音や振動が隣の部屋に伝わることがあります。リフォーム業者は騒音を最小限に抑える工法や材料を提案してくれますが、作業の時間帯や工事内容についても、事前に管理組合と相談し、他の住民への配慮する必要があります。
2-2. 構造に応じた壁の撤去や間取り変更の可否を見極める方法【専門家監修】
壁には、大きく分けて「構造壁」と「間仕切り壁」の2種類があります。
構造壁は建物を支える重要な役割を担っており、撤去は原則として不可能ですが、間仕切り壁は部屋を区切るための壁であり、撤去や変更が可能です。
また、壁の中に水道や電気配線が通っている場合の変更は注意が必要です。工事前に業者や設計士に壁の種類や設計図を確認してもらいましょう。
3.予算に合わせた内装リフォーム計画!無理なく実現するための費用術
内装リフォームを予算内で実現するために、どこでコストを削減できるかを考えましょう。
1. 優先順位をつける
リフォームをするうえで、必須の工事とオプションを分けて優先順位を設定します。特に使用頻度の高い水回りやリビングを優先することが効果的です。
2. DIYを活用
自分でできる作業を取り入れることで、コストを削減できます。
3. 業者選びと見積もり比較
複数の業者から見積もりを取り、内容や価格を比較します。相場を知り、予算内で質の高いリフォームを可能にしましょう。
4. 材料選び
高品質と価格のバランスを考え、コストパフォーマンスの良い材料を選ぶようにしましょう。耐久性、デザイン性を保ちながら、手頃な素材を選ぶことで予算を抑えられます。
計画的にリフォームを進め、無理なく実現できる予算内で内装を改善しましょう。
3-1. マンションリフォームローンや補助制度を上手に活用する方法【金額解説】
マンションリフォームローンは、リフォーム専用の資金調達手段で、固定金利だと一般的に1.5~3%、変動金利だと、1.5~2.0%程度が目安の金利となっています。
最大数百万円の融資が可能で、金利や返済期間を比較して最適なローンと金融機関を選択しましょう。また、補助金制度では、省エネや耐震、バリアフリー改修に対して、最大50万円〜100万円の支援を受けることができます。
また、税制優遇措置や住宅ローン減税も活用できる場合があるので、業者に補助金を使いたい旨を伝えて、条件を確認し、必要な手続きを行いましょう。
3-2. 価格を抑えるための業者選びと見積もり比較のポイント【事例有】
リフォーム費用を抑えるためには、業者選びと見積もり比較が非常に重要です。
ここでは、具体的な事例を交えながら、価格を抑えるためのポイントを解説します。
1. 複数の業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ることは、費用相場を把握し、適正価格を知る上で不可欠です。
事例:
Aさんは、同じ内容で3社から見積もりを取りました。
A社は100万円、B社は90万円、C社は80万円という結果でした。
Aさんは、最も安いC社に依頼することにしました。
2. 見積もり内容を細かく確認する
見積もり書には、工事内容、使用する材料、費用などが詳細に記載されています。不明な点は必ず業者に質問し、納得した上で契約しましょう。
事例:
Bさんは、見積もり書に「一式」と記載されている項目があることに気づきました。
業者に確認したところ、詳細な内訳を教えてもらえました。
Bさんは、不明な点を解消することができました。
3. 値引き交渉をする
複数の業者から見積もりを取っていることを伝え、値引き交渉をしてみましょう。
事例:
Cさんは、複数の業者から見積もりを取っていることを業者に伝えました。
すると、業者から「端数を値引きします」という提案がありました。
Cさんは、予算内でリフォームできることになりました。
4. 工事時期を検討する
一般的に、繁忙期(年末年始、お盆、GWなど)は工事費用が高くなる傾向があります。閑散期に工事を行うことで、費用を抑えることができます。
5. 補助金制度を活用する
国や地方自治体によっては、リフォーム費用の一部を補助する制度があります。利用できる制度がないか確認してみましょう。
3-3. グレード別内装リノベーション!高級感を出すための設備選びを解説
高級感を出すためには、高級グレード・ミドルグレードとグレード別で費用も変わってきます。
高級グレードでは、フローリングに大理石や無垢材など、質感の高い素材を使用することで、空間に高級感を演出できます。
また、ミドルグレードであれば、人工素材でも、質感の高いフローリング(例えば、エンボス加工の木目調)を選ぶと、見栄えが良くなり、キッチンはステンレス製のシンプルなキッチンや、クォーツカウンターを選んでも高級感が出ます。
また、照明の位置やデザイン、ニッチやアクセントのある壁紙などをリフォームに追加しても高級感のある空間を作り上げることができます。
4. 内装リフォームで起こりがちな注意点!管理会社との連携と施工事例
内装リフォームでは、管理会社との連携ができていなければ、後でトラブルが発生する可能性があります。管理会社との連携がなかった場合の施工事例では、管理規約に反する工事を行い、リフォーム完了後に指摘され、修正を求められるといった事例もあります。また、共用部分に影響を与える作業や騒音問題が発生した場合、他の住民から苦情が出ることも。事前に管理会社と調整し、規約やルールを守った上で進めるようにしましょう。
4-1. 天井や窓回りの施工時に気をつけたいポイントと失敗事例を紹介【具体例】
マンションリフォームでの施工時に起こりえる失敗例をご紹介します。
1. 天井の施工時の失敗例
Aさんは天井にダウンライトを追加した際、配線が不足し、追加工事で余計な費用がかかりました。
天井をリフォームする際には、照明や空調の位置、配線の配置を事前に確認しておくようにしましょう。
2. 窓回りの施工時の失敗例
Bさんは、遮音性を考慮せずに通常の窓を選んだ結果、外の音が気になり、再度リフォームを行う羽目になりました。
窓回りのリフォームでは、外部からの視線や光の取り込みを考慮した設計や、断熱性や遮音性などの窓の性能を重視することが大切です。
特にマンションなどのコンクリート造の建物は、壁が冷たく、丈夫な造りで気密性が高いため、結露が頻繁に起こる傾向があります。
4-2. リフォーム後の管理費用やメンテナンスコストを抑えるための工夫
せっかくリフォームするのですから、リフォーム後は少しでも出費を抑えたいですよね。
管理費用やメンテナンスコストを抑えるための工夫を知っておきましょう。
フローリングなどは、耐久性の高い素材を選び、傷がつきにくいものや、耐水性のある材料を選びましょう。
また、高効率のエアコンやLED照明、省エネ型の設備を導入することで、電気代や光熱費を削減することができます。
そして、トラブルがあった際には、施工業者が提供する長期保証をしっかり活用し、修繕費用を抑えましょう。
5 . まとめ:マンションの内装リフォーム費用を把握し理想の住まいを実現しよう
マンションの内装リフォームは、古くなった設備や間取りを変更することができ、生活も見た目だけでなく、使い勝手や断熱性の向上といった心地よい空間を実現することができます。
また、壁紙や床の素材、照明の変更、家具の配置など自分好みのデザインを取り入れることで、生活の質が高まるだけでなく、毎日がより楽しく感じられるようになります。
省エネ設備設置や断熱工事を行えば、夏は涼しく冬は暖かい部屋が実現し、環境にも優しく、経済的な負担を軽減することができます。これらの理想の住まいを実現するために、マンションの内装リフォーム費用を把握することは、とても大きな第一歩となります。
制限のある費用の中で、理想のマンションリフォームが実現できるよう、全体的なバランスを考え、計画を立てて進めましょう!